離脱

僕は、塾に行っていた。そろそろ中学受験がある。
大丈夫かなぁ。毎日、3時間も勉強してるし、きっと大丈夫。
志望校にきっといけるさ。だって、その為に休みの日までこうやって塾にいってるんだもん。
あー、お腹が空いたな。そろそろ何か食べたいなぁ。
「まりあくんは、ちゃんと勉強してるの?」「え、あ、はい。ちゃんと勉強してます。」
びっくりしたぁ。この先生、高校生だったかなぁ?なんか近いようで遠い存在だな。
でも、なんか可愛い先生だな。ちょっと、ほくろの場所が気に入らないけど。
制服ってことは、学校帰りにそのまま着てるのかぁ。
こんな夜遅い時間まで、先生タイヘンだね。
さーて、そろそろ勉強も終わりかぁ。今日も1日がんばったな。
ちゃんと、頭に残ってるのか?もうすぐのテストでわかるか。
「先生、ありがとうございました~」

うーん、もう夜の10時ともなると、暗いなぁ。
気をつけてかえろうっと。
ここから家まで一本道で、車の通りが多いから明るいんだよな。
だから、大丈夫。でも、この前車にひかれかけたんだった。
どうしよう。そうだ、違う道から帰ろう。ちょっと暗い道だけど、たまにはいーかな。
そして、僕は裏道にいったのだった。
これから始まる、奇妙なお話の入り口に、まりあくんは進んでいきました。

僕は、すぐかどの駐車場をまがって、信号を一つ渡りました。
なんだか、淋しい所だなぁ。
「きーこぉ、、、きーこぉ、、」近くの公園のブランコがなっています。
あ~、なんか出そうだなぁ。近くにお墓があるし。
怖い、のに、なんで僕はこの道を選んだんだろう。
怖いよぉ、でも、一度決めたから、ちゃんとこの道でいくぞぉ。
だいぶ、くらやみに目もなれてきたし。
そう思って、僕はひっそりとしたやみのなかを歩いて帰りました。
明かりといえば、さっき渡った信号の点滅ぐらいです。
時間過ぎるの遅いなぁ。どーしたんだろう。
僕は、とぼとぼ歩いていきました。やっと2つめの信号が見えかかったとき、、、

ピカッ

うわっ、ん?真っ暗だ、今何か見えたきがしたけど。そういえば、信号も見えなくなったぞ?
あれ、どうなったんだ?おかしいなぁ。
僕は、まぶしすぎる光をあびて、目が眩んでしましました。
そして、僕が暗闇にふたたび目がなれた頃、そこには、一人の、、、、女のこか男のこか、
どちらかわからない子が、座り込んでいました。

2235年

「おまえ、死ねよ。いつもいってんだろ、なんでまたここにいんだよ。」
痛い、痛いよ、髪の毛引っ張らないで。
「あー、触るとなんか病気になりそう。どうする、こいつ?」「ごみに出したりしない?」
おねがい、痛いから、やめて。どうして?ごみじゃないよぉ。
「でも、いなくなると、るみ先生がかわいそうだしな。こいつの親とかが文句いったりしそうで。」
なんで、先生の心配してるのに、どうしてそんなことするの?
「まー、いいや。ちょっとこいつ髪の毛長くない?きっちゃわない?」「そーだね、こいつには坊主が似合うよ」
やめてよ、せっかくここまで伸ばしたのに。だめだよ、そんなこと、絶対させない。絶対。
せっかくお母さんが丁寧にくしでキレイにしてくれたのに。
なにがあっても、いやだ!!
「お、こいつ、髪の毛押さえてやんの。なんかもってない?はさみとか、、、ナイフとか」
!?本当だ、本気だ。にげなきゃ。やられちゃう。どうしよう。
「おいおい、みろよ、こいつまだジタバタしてるぜ。おまえら、逃げられないように手足しっかりつかまえとけよ」
ああ、ここでつかまったら、もう、何もかもが、、、
「おいおい、動くなって、その、変な顔に傷がついてもしらないぞ?うへへへ」
だめだ、もう、助けて、おじいちゃん。おねがい。だめ、今自分で動かないと。
キラリと、目の前にナイフがきました。私は、手で彼の腕をつかむと、後ろで私を押さえていた子分に、
軽くナイフをさしました。
すると、血がタラタラと流れています。
私をいじめていたみんなが、ぼーぜんとしています。
そのすきに、私は家まで一目散に走って逃げ帰りました。

「ゆーか、どうしたの?そんなに息をきらいして。」
あ、ひかるだ。彼女だけは、いつも私に優しい。
「うーん、何もないの。ちょっと走ってみたかったの。」「そーなの?ならいいけど。」
「うん、ありがとう。今度、またひかるの料理食べたいな。作ってくれる?」
彼女は、軽く微笑んでくれました。
「それじゃ、またねー。今から料理の勉強するから。」
そう言い残して、ひかるは闇の中に消えて行きました。

私は、だいぶ落ち着いています。なんとか笑うことができるようになりました。
「おかえり、ゆーか」「ただいま、おじーちゃん。」
私の大好きなおじいちゃん。いつもいろんなお話をしてくれます。
面白いお話や、恐いお話とか。でも、いつもやさしい目で私を見てくれます。
「ねー、どうして、私って、みんなと違うのかなぁ?」「そんなことはないよ」
そういうと、おじいちゃんは困った顔をしています。
「きっと、ゆーかが特別だからじゃよ。みんなにはもっていないものを持っているんじゃ。」
そういって、おじいちゃんはうとうと眠ってしまいました。
「あはは、おじーちゃん、寝ちゃってるや。風邪ひかないようにね。」
私は、そっとおじいちゃんに毛布をかけてあげました。

次の日、私は学校に行きました。すると、先生に呼ばれました。
「ゆーかさん、昨日ふじなくんにナイフさしたって本当ですか?」
えー、でもそれは向こうが、、、私悪くないもん。
「どうなんですか?答えなさい。あちらのご両親が心配してましたよ」
そんな、先生、違うの、向こうが悪いの。だって、だって、、、
「だまってちゃ、わからないですよ。お家の人にきてもらいましょうね。」
え、おうちの人って、、、だれを呼ぶの?
「今、ご両親はいないみたいだから、おじいちゃんにきてもらいましょう」
おじいちゃん?そんな、おじいちゃんに心配かけたくないよ。どうしよう。
「いいですね?今日の放課後、学校に来てもらいますよ。残っていないさい。」
だめだよ、先生。だめだって。。。
「なんですか?」
「何もありません。。。」

放課後です。おじいちゃんが私をまってます。
校長室に呼ばれていました。
「昨日、ゆーかさんが、ふじなくんという子にナイフをさしました。」
おじいちゃんは、困っています。
「そこで、そのことについて、私どもがゆーかさんに聞いているのですが、何も話さないのです。」
おじいちゃんは、私の顔を見ました。
「昨日は、ゆーかさん、どんな感じでした?」
すると、おじいちゃんは、いつもの優しい口調で話しはじめました。
「ゆーかは、そんな悪いことをする子ではありません。昨日もわしがうとうと寝ていたら毛布をかけてくれた。
以前も、わしが出かけている時に、雨がふったとき、わざわざ傘をもってきてくれたのじゃ。
そんな優しいこが、他人さまの子を傷つけるとお思いですか?」
校長先生は、ちょっと困っていました。
「私、悪いことしてないもん。向うが、私を捕まえて、髪の毛をナイフで切ろうとしたんだもん。」
そういうと、私は、ないてしまいました。
「そうですか、では、あちらの生徒にもお話を聞かないといけませんね。今日のところは帰っていただいて結構です。」
私は、すごく胸がいたくなりました。おじいちゃんに迷惑かけたことが一番大きかったです。
ごめんね、おじいちゃん。ありがとう。。。

私は、おじいちゃんと一緒に家に帰っています。
久しぶりに、おじいちゃんと一緒にかえるなぁ。この前の授業参観日以来です。
ちょっとウキウキしていました。
だって、おじいちゃん、最近忙しそうで、あんまりお外に出られないんだもん。
楽しいです。いや、楽しかったです。
あいつらがやって来るまでは。

「おい、今日はおいぼれじじーも一緒だよ。どうする?じじーも一緒にやっとく?」
!?何をいってるの?おじいちゃんに何をするき?
「昨日は、こいつに逃げられたから、まずじじーを捕まえようぜ。お前ら、はやくしろよ。」
おじーちゃん、大丈夫?にげて、おじいちゃん。
「なんじゃ、おまえら。おまえらか、わしのゆーかに手をだすごみたちは」
あー、おじいちゃん、だめだって、こいつら何をするかわからないんだから。
「なんだ?じじー、やるのか?おい」
そういうと、今日は鉄パイプのような、バールのような、そんなものを持っています。

ドンッ

「ぐぁ、、き、さま、ら、、、」
あ、おじーちゃん。おじーちゃんが、私のおじーちゃんが、、、、血を流してる。。。
「おじーちゃん、大丈夫?おじーちゃん、おじーちゃん。。。」

バタン

おじいちゃんは、倒れてしまいました。おじいちゃん、おじいちゃん、おじいちゃん。。。
「ひゃはは、、はは、おい、じじー、倒れてるぞ。こいつ、動かないでやんの。」
もう、なにがなんだか分かりません。涙が止まりません。
「おぉい、お前も、えも、こうなりたく、くなかったら、今度、どからちゃんと、ゆうこときくんだぞ。」
私の前に、血だらけのおじいちゃんが、倒れてます。倒れてます。。。。
おじいちゃんは、おじいちゃんは、もう私に優しい目をしてくれません。

私は、おじいちゃんと救急車に乗っています。おじいちゃんに意識はありません。
「おじいちゃん、おじいちゃん、おじいちゃん。。。」
いくら呼んでも反応ありません。とっても哀しいです。
涙が、とまりません。とまらない、とまらない。
病院についても、私は一人で、おじいちゃんのそばにいました。
おじいちゃん、おじいちゃん、おじいちゃん、、、
そして、おじいちゃんは、もう二度と目をさまさなくなりました。

私は、深い眠りについていました。目が覚めると、涙はかれていました。
もう、なにもでてきません。
これから、どうしよう。そう思った時、私はおじいちゃんのために、復讐することにしました。
まず、いつも私のことをごみあつかいしている、あいつからです。
私は、いつものように学校に行きました。そして、放課後を迎えました。
あいつらは、また私の側にやってきて、好きなことをいっています。
でも、今日は、一人ではありません。お父さんの部屋から、ナイフを一本持ってきました。
これは、小さい頃遊んでいて指を切りかかったことがあります。
今日は、からまれる前にいきなり、あいつのお腹にナイフをさしました。
すると、びっくりしたのと、痛いので、あっけにとられてます。
私はわらいながらいってあげました。「おじいちゃんと同じ痛み、味わえ!」
そして、まわりにいた子も、次々とさしていきました。
私は、もう壊れていきました。。。

私は、ゆーか。おじいちゃんこ。あまえてるの。おじいちゃん、優しいから。
おとうさんと、おかあさん?おとうさんと、おかあさんは、お出かけしてるの。
今、どこにいるか、わかんない。でも、もうすぐ帰ってくるよ。
だって、ゆーか、ひとりぼっちだもん。だから。
そういえば、お誕生日のプレゼントもなかったし。
何かなぁ。楽しみ。早くかえってくるといいなぁ。

「この子は、かなりショック状態ですね。どうです、この子を例のプログラムの
実験材料にしてみるのは。この子の両親も、音信不通だそうです。」
「そうだな、どうせくるってるんだ、なにが起きたって、わかりはしないだろう。
もう、正常には戻らないんだしな。」
「では、そういうことで」

私は、知らない人たちに、大きな乗り物に乗せられました。
そこは、体育館のような感じで、離れたところに、席が5つ用意されていました。
私は、その中の一つに座らされました。
とても、静かで、とても、冷たい空気のするところでした。
「じゃ、そろそろ始めるか?」
そういうと、なんていうか、まるでエレベーターの屋上から、1階までいっきに
突き抜けるような、そんな気分がしました。
お腹のなかが、移動するような気がしました。
「みなさん、気分はいかがですか?これは、特別な治療なのです。」
白い服をきた人が、そんなことをいっていました。

「今からいうことは、ちゃんと聞いておいてください。
あなたたちは、好きなところにいけます。そこは、あなたたちが望んでいた世界。
きっと、満足してもらえるでしょう。そこで、あなたのストレスを発散するのです。
いいですか?これから、3つ数えます。そうしたら、目をあけてみてください。
1、2、3、、、、」

私が目を開けると、そこは、暗闇の中でした。
そう、何もみえない、闇の中。さっきまで、明るい部屋にいたからでしょう。
でも、いきなりすぎて、何もわかりません。
私はこれから、どうしたらいいのでしょう。
なんとなく、うずくまってしまいました。

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