穏やかな日々

私の家は、おじいちゃんとおばあちゃんがいます。
とても、仲がよくて、すっごくうらやましいです。
私も、あんな風になれたらなぁ。。。

おじーちゃんこ、おばーちゃんこ

「寒い。」
「はい、おちゃ。」
おじーちゃんと、おばーちゃんは、とても仲がいいんです。
「さて」
「雨がふるそうですよ。はい、傘」
なにをいっても、一言でつたわっちゃう。
こんなおじーちゃん、おばーちゃん。
でも、私にだけは、甘い。いつもかわいがってくれる。
おじいちゃんの名前は、喜一。おばあちゃんの名前は一二三。
ままは、、、元気なんだけど、耳がきこえないの。
でも、私も少し手話を勉強したので、楽しくお話ができます。
ままの声って、どんなんだろう。たまに、かすれた声で話してくれます。
そんなとき、ちょっとどきどきしてしまいます。
ぱぱは、仕事ばっかりで、あまり家にかえってきません。
でも、ぱぱも、ままが好きなんだって。
みんな、仲良し家族だと思います。
あと、私の家族にぞうのゆーたくんがいます。
このこは、いつもお鼻で遊んでくれてたの。今ではおっきくなっちゃって、
ゆーたがちっちゃいときからいるんだけど、背中にのって遊べるの。
楽しいんだよ。
あと、まーちゃんっていう、ほんとは「まーる」なんだけど、いつもそう呼ばれてる、
かわいい猫ちゃんがいます。
私の家族はこのくらいです。たまに、庭に隣の家のけんたくん(犬)がくるくらいです。
そんな、楽しい家なの。

今日は、おばあちゃんがお出かけです。
雨がざーざーふってました。おばあちゃん、大丈夫かなぁ?
わたしが、外をみてると、おばあちゃんが帰ってきました。
おじいちゃんと一緒です。
おじいちゃん、傘をもっておばあちゃんを迎えにいってました。
すっごく優しいです。口にはだしていわないんですけど。
そんなところが大好きなの。
おじーちゃんが、わたしのところにきて、カワイイ人形をもってきてくれました。
これ、私が前からほしいってゆってたやつ。おじいちゃん、ありがとう。

まりあまま

そうそう、わたしのこと、あんまり説明してなかった。
わたしの名前は、まりあっていうの。
まりあままが考えてくれたの。かわいいでしょ?
まりあぱぱも、みんなに優しくなればいいねって、ゆったらしいの。
それでかなぁ?おっとりした性格になっちゃった。あまえてそだったからかなぁ?
ままは、ゆりっていうの。
すっごくすっごくきれいな人。わたし、ぱぱ似だから、ちょっと残念。
だって、まりあぱぱ、ちょっと髪の毛薄いもん。あんな風になっちゃうのかなぁ。
わたし、みんなにカワイイねっていわれるけど、ままみたいになりたいな。
ままは、料理も裁縫も、なんでもできるの。
すっごく上手なの。近所でも評判なんだ。
だから、私も大きくなったらままみたいになりたいなーって。
もっともっとカワイクならなきゃ。

今日は、ままがおいしい料理を作ってくれました。
とってもとってもおいしかった。
でも、まりあままは、いっつもあまり食べないの。
私より小食なんだ。だから、体がちょっと心配なんだけどなー。
でも、元気そうだからいいの。
はやく、ままみたいにきれいになれたらいーな。

まりあぱぱ

私のぱぱは、、、ちょっと怖いんです。
えっと、なにかっていうと、よく歩いてると、仕事してないんですか?って聞かれるの。
仕事、ちゃんとしてるよ。でも、なんでかな、服装かなぁ?
なんか、怖い人に思われてるの。
このまえなんか、警察の人によびとめられてて、まりあぱぱすっごく怒っちゃって。
もう、けんかしちゃってた。
「俺がなにか悪いことしたのかー!」って
で、ぱぱの知り合いの人が警察にいるから、その人にゆって、
その場はなんとかおさまったけど。
いっつもそんなことばっかりかも。
うん、まりあぱぱ、やっぱり怖いのかな。
そこらへんにいる、悪そうなちんぴらの人にも軽くどついてるもん。
ああ、やっぱり怖い。。。

そういえば、ぱぱ、まりあの友達から電話あったとき、
いっつも教えてくれないんだよ。だから、ぜんぜんお友達とお話できないの。
こっちから電話したときに、このまえ電話したよーっていわれるの。
だから、しょっちゅう遊ぶ機会うしなっちゃってて。
やっぱり、男のこだからかなあ?でも、しんちゃんが電話したときは教えてくれるのに。
おとうさんも、安心してるのかな。
しんちゃん。そういえば、最近あってないなぁ。
どこにいったんだろう?

しんちゃん

しんちゃんはー、なんかよく不細工なことつきあってるけど、
たまーに、かわいいこともつきあってるらしい。
なんか、でも結構自己中だったなぁ。
昔はすごく頭よかったらしいんだけどね、なんか病気になっちゃって。
精神病だったかなぁ。それで、ちょっと怖かったんだけど。
いまでも、ふつうにすごしてるのかなぁ?不思議。
まー、怖かったんだけど、あのころは楽しかったのかなぁ?
あ、あのころって、つきあってたころね。
そういえば、車ほしーっていったら、ベンツくれたっけ。
中古だったけど。あのころは、若かったなぁ。
でも、おとーさんが、返してこいってゆーから、もらわなかったけど。

そういえば、しんちゃん、一度入院したことがあってね、
そのときに、しんちゃんの親が、部屋から着替えもってきてっていったから、とりにいったの。
そしたら、看護婦さんのやつとか、セーラー服とか。
なんかいろいろあったなぁ。
あんなのが好きなんだーって思った。私はきたことないんだけどね。
きっと、違う人にきせてたんだ。
だって、服もってきてあげるから、かぎかしてっていったら、すごくいやがってたの。
あれ、みられたくなかったんだ。きっと。
そんな人。しんちゃんって。でも、ちょっとおちょうしもの。

ご飯

あー、ゆーたくんがあばれてる。ご飯の時間だっけ?
ほんとは、おばあちゃんの係りなんだけど、かわりに私がしてるの。
背中洗ってあげたりとかしたら、すっごく気持ちよさそうに、鼻ひらいたりするの。
しっぽもふってる。
でも、、、ちょっときたなかったりするのです。
ああ、まりあ一人じゃどうにもできない。。。
暴れてるゆーたくんを押さえるには、、、そうだ、けんたくんを呼ぼう。
けんたくん、実は、ゆーたくんの見張り番だったりするのです。
わんわんゆってるけど、実は、すごく小さいの。
でも、いばってる。けんたくん。
いつも、まーちゃんと遊んでるけど、たまにゆーたくんをやっつけちゃう。

はやくご飯あげないと、家がこわれちゃうよ。
家の壁をね、ドスンドスンって体当たりするの。
昔は、まりあぱぱが、棒をもっておそいかかったりしてた。
こらー!って。でも、ぱぱもそのままゆーたくんの上にのっちゃって、
近所うろうろしちゃった。戻ってきたときには、ゆーたくん疲れてて。
すっごくおとなしくなってた。あれから、ぱぱがくると、静かになっちゃう。
まりあも、ちっちゃいころは乗ってたんだけどね、最近はのってないなぁ。
よし、今から挑戦してみようかな?
あー、ヒールはいてるから、うまく乗れないよぉ。まーいっか。
しょうがない、けんたくんを呼びにいこう。

大雨

まりあは、今日ちょっとバイトがあったので、車でおでかけしてました。
まりあがでかけるときは、いつも晴れてるけど、たまーに雨がふります。
でも、車にのってるときだけなので、ほとんどぬれたりしません。
あの日も、今日みたいにすっごく雨がふっていました。
そう、とてもすごい大雨。

まりあが、家でお留守番をしているとき、おじーちゃんとおばーちゃんと3人でした。
雷とか、ちょっと怖かったけど、それでもおじーちゃんがお話してくれてたので、
そんなに不安じゃなかったの。
でもね、ままが、まりあの先生に大事な資料を渡しに、学校にいっていたの。
ままが出かけるときには、雨はふってなかったんだけど、急に雨がふっちゃって、
だから、ままのことがとても心配でした。
ぱぱが帰ってきたから、ぱぱが迎えにいってくるっていってたの。
まりあも心配だったから、まりあもいくーってゆってつれていってもらったの。
ぱぱと手をつないで学校まで行く途中、川とかすっごく水がふえてて、
まりあが歩いてるとこまであふれてたの。ぱぱもまりあも、足びしょびしょになっちゃった。
ままもきっと帰れないから、寂しだろうなーって思った。
学校につくと、まりあままが玄関のところでお外を眺めてた。
でも、ぱぱとまりあを見つけると、にっこり笑ってたきがする。
先生も、「まりあちゃんはえらいねー、おかあさん迎えにきて」って誉めてくれた。
でもね、あのときのままの顔はすっごく覚えてる。
とてもやさしい顔で、まりあをみつめてくれていたの。

動物園

おじーちゃんは、いつもひまみたいで、おばーちゃんと一緒に動物園にいつもいってました。
おじーちゃんの友達が、動物園で働いてるみたいで、いつもおじーちゃんの友達が挨拶にきてたの。
おじーちゃんって、えらい人だったのかなぁ?
まりあは、たぬきが好きだったの。でもね、最初はすっごく嫌いだったんだよ。
まえ、おじーちゃんとおばーちゃんが鳥をみていたとき、こっそりおりの中に指をいれてみたの。
そしたら、たぬきがカブッてかんじゃったの。指をみたら、血がでてて。
涙がでちゃったよぉ。
そのことをおじーちゃんにいうと、血がでてるところをなめて消毒してくれたの。
でも、おじーちゃんに怒られるんじゃないかって、ちょっと心配だったけど、
ぜんぜんおこられなかった。だって、おりのまえに
「えさをやらないでください。ゆびをいれないでください」
て、かいてあったんだもん。
おじーちゃん、すっごく心配してくれてた。まりあがないてたから、たぬきのぬいぐるみかってきてくれた。
「まりあ、これならかまれないぞ」って。
おばーちゃんは、おじーちゃんの横でにこにこしてた。
おばーちゃんって、いっつも楽しそうだなぁ。なんでだろう。

その動物園には、おっきな観覧車があって、動物園を上からぜんぶみられちゃうの。
まりあは、のったことなかったから、すっごくこわかったんだけど、
おじーちゃんが、しっかり手をにぎっててくれるってゆったから、乗ってみたの。
もう、まわりは真っ暗で、園内はライトアップしてたの。
おじーちゃんが、「まりあ、みてごらん」っていうから、ちょっとだけ顔をあげてみたら、
暗闇の中に、光で装飾されてる動物園があったの。
まわりがくらかったから、ぜんぜん怖くなかったよ。
ちょうど、頂上までのぼりかけたとき、遠くの方で花火があがってたの。
すっごく綺麗だった。
観覧車は、そのままゆっくりと下におりていったので、全部はみられなかったけど、すっごく楽しかったよ。

ままの日記

わたしが、おへやの掃除をしていたら、ちいさなはこをみつけました。
そこには、きれいな一冊の本がはいっていました。
わたしは、ぱらぱらってのぞいてみました。

4月20日
わたしは、いま子供をみごもっています。
どうしようかと、すごく悩みました。
わたしは、公園でよく子供が遊んでいるところをみます。
よく、ないているすがたがみえます。
私が、一番不安なこと。
このまえ、近所の相川さんのお宅に女の子がうまれました。
たまに、お宅を伺ったときに、赤ちゃんをみてて、とても愛らしく思う。
でも、ちょっと目をはなしてるすきに、すっごくないていました。
すぐに相川さんがかけよってて。
そんなとき、私はどうしていいのかわかりません。
おかあさんになる自信がないのです。
うまれてくるこのこに、愛情をちゃんとそそいであげられるのか、とても心配。
でもね、あなたのこと、お母さんはとても大好きだからね。

あなたがうまれてくるの、まってるから

4月24日
おばあさまが、なくなりました。
このこの顔がみたいって、ずっとゆってらっしゃったのに。
もうすこし、はやくうまれてくれればよかったんだけど。
でも、しかたがないのかもしれません。
あのとき、おじいさまは、なにかぶつぶつ・・・
かなりしょっくをうけてたのでしょう。
かわいそうに、おおじいさま。
ずっと、とこにふせている姿をみると、、、
これからどうなるのでしょう。

4月25日
おじいさまが、、、なくなりました。
おばあさまのあとをおって、、、
薬を飲んでいました。
でも、その表情は、幸せそうでした。
昨日、心配だったのは、このことを考えていたのかもしれません。
あんなに、おばあさまのことを思ってらっしゃったんだから。
だから、こうなってしまうのも、なんとなく。
はやく気づくべきでした。

あなたは、幸せになってね。

5月1日
午前6時53分、あなたはうまれました。
とても、白い子。
まるで、生まれてくる前から清められていたかのようです。
聖なる御子。そう思い、あなたの名前は、聖母マリア様から名付けました。
まりあ。
あなたは、可愛く育ってください。
私の分まで。いっぱい人生を楽しんでください。
そして、あなたのおばあさまの分まで。
そう、今日5月1日は、あなたのおばあさまの誕生日。
だから、あなたはおばあさまのぶんまで幸せになってほしいの。
おばあさまに、あなたの顔を一目みてもらいたかった。
こんなに可愛いこ。
おおきくなったら、きっともっともっと綺麗になるわ。

みんなにすかれるいいこに育ってね。

日記は、まだ続いていました。
でも、でもみているうちに涙がでてきました。
ままの知らない部分。
こんなにも思っていてくれたこと。
もうすぐ母の日。
綺麗な姿をままにみせてやるんだ。

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