家族ゲーム

この部屋は、仮装家族を作ることを目的の人のみご利用ください。
まだまだ、募集(若干名)しておりますので、
メールで申し込みください。
ただいま、▲▽キャンペーン中。
詳しくは・・・

アンケートに記入の上、下記のアドレスまで送信してください。
尚、確認のため、ユーザー名、パスワードは、
認識終了時に送付いたします。
*:アンケートは全て記入が必要です。
お名前(漢字)
おなまえ(ひらがな)
性別 男 女
生年月日 ▽月○日
メールアドレス:
1、ご希望の家族構成は?(具体的に)
2、あなたの性格は?
3、あなたの趣味は?
4、あなたの夢は?
5、ご質問がありましたらどうぞ。

××会社
家族ゲーム.com

俺にこんなメールが届いていた。

<注意事項>
もし、問題が発生すれば、ルール(常識)に基づいて解決します。
この世界でのルールは、厳密な民主主義を採用します。
特に、民主主義の多数決を最低限のルールとします。
話し合いで解決しない場合は、この手段によって決まります。
ただし、同数で決が分かれる場合は、
こちらが白か黒の決を送るので、
決を採る時は、白か黒で決めてください。
また、この仮想家族(ver.3)は、極めてリアリスティックなものです。
むやみに、家族に損害を及ぼす場合には、
それなりのペナルティー(罰則)を課すこともあります。
この世界は、どんな人にも参加する権利がありますが、
ペナルティを課された場合、この権利を失うことになります。
・・・etc

家族ゲーム、この世界は、小さな国(ポポロ)という仮想国家に入居することから始まる。
そこには、それぞれ実際に住所があり、
住居はすべて国営である。
入居時の希望や何やらをデジタルに数値化して、
そこから入居場所を決定する。
もちろん、隣人もまたゲームをする上で重要な役割をする。
国の最小グループは、個人であり、家族を一つとみなす。
ただし、国は、住居を提供するために、家族から多少の税を取る。
この税収は、すべて国民のために使われるものである。
国の代表は、大統領制をとり、あなたにも大統領になるチャンスがある。
この国での収入は、他人とのコミュニケーションによってえられ得る。
つまり、その収入から税を差し引いたものが実際に使えるお金(可処分所得)である。
ただし、電気、水道代といったものはないものとする。

それでは、ゲームを楽しんでください。

俺の部屋は、マンションの201号室。
まだ、誰もいないようだ。
ピンポーン
「はーい。」
チャイムがする方へと進んでいく。
3Dの家の中は、実際をリアルに再現している。
「こんちわ。俺隣に住んでる矢野です。
きみがここんちの息子さんかぁ。」
隣人の矢野は、勝手に家に上がり込んできた。
「いやー、きみ、うらやましいね。俺もできればこの家に生まれたかったよ。」
玄関をなめるように見ると、俺より先に奥へと上がっていった。
「俺んちさー、希望したのより最悪でさー、
うちのねーちゃんなんて、でぶってんだぜ?
もう、参ったのなんのって。
高野さんちは、かわいい妹さんがいていいよね。」
そういって、またきょろきょろと部屋の中を観察してる。
「ま、なんかあったらうちにおいで。すぐ前の部屋だから。じゃ。」
そういって、矢野は部屋を出ていった。

それにしても・・・
人間までリアルだもんな、びっくりした。
「それってさ、アブないんじゃない?」
いつものチャットで百合に話をした。
「最近のオンライン(ゲーム)って、知らない人と一緒にやるの多いけど、
あんまりどっぷりネットにはまってると、抜け出せなくなるよ。」
(俺もそう思う。)
「リアルすぎるってことは、犯罪とかもあるの?」
(そういえば、どうなんだろう。
でも、ペナルティーはあるって注意書きにあったからなぁ。)
「最近、オフとか危険だから、気をつけたほうがいいよ。」
(そうだよなぁ。)
・・・

最近のゲームはすごいんだな、と思わせることが多々あった。
俺みたいなステレオタイプな人間には、
こんなデジタルな世界はとけ込めないと思っていたけど。
パソコンの前にカメラをつけて、
頭にマイクと専用めがねをかける。
これだけで、まるで現実世界にいるかのように、
なにもかもが立体的に見える。
立ち上がる時は、目線を変えるだけ。
動くときは、行きたい場所に目をやるだけ。
まさに、現実と同じ動きができる。
そして、カメラに写った自分が、立体となって、
異次元の中で動く。
俺の精神が、このパラレルワールドに居続けることになるとは、
このときは思ってもみなかった。

ピンポーン
「ただいまー。」
部屋にいると、かわいらしい女の子が入ってきた。
「あー、おにいちゃんだね、ただいま。」
「あ、うん。おかえり。」
俺は、あまりの普通な対応に呆然としてしまった。
「どうしたの?」
屈託のない笑みで俺をみつめる。
なんか、お兄ちゃんって感じ。
「せ、制服を着てるってことは、高校生?」
うーんと伸びをしていた女の子は、
「そだよ。りおだよ。よろしくね。おにいちゃん。」
と、無邪気に微笑んでる。
「あ、わたしの下着がない。おにいちゃんとったでしょ!」
洗濯物を取り込んでいたりおは、俺の顔のぞき込んだ。
「せ、洗濯物なんて知らないよ。あっ!」
そういえば、さっき矢野がなにか隠してた気がしたけど、
あいつの仕業だな。
「んっ?なあに?どうかしたの?」
くりくりっとした目で俺の顔をのぞき込む。
まいったなぁ。こんな子が俺の妹か。

「この世界のことを教えて欲しいんだけど。」
「ん?」
くりくりとした目で見つめられる。
「この世界のことはね、これをみるとすぐわかるよ☆」
そういって、アイコンマークが現れた。
ちょっと振れてみると、一瞬真っ暗になったかと思うと、
違う世界が現れた。
そして、ゆっくりとナレーションが始まった。
『この世界は、わたしが博士論文を作成中に、
当初の予定であった国を作るシュミレーションゲームを作成したことに始まる。
このゲームでは、よりリアルに国を育成することで、
だれもが経済(おもに税)の仕組みを理解するためのものであった。
この世界は、専門機関に属するものにも興味あるものができたと思う。
そのため、版を重ね、サードエディション(3版)まで作成することができた。
そして、それまでのノウハウと新たなスタッフとによって作られたのが、
この電脳世界である。
この世界の利点は、目や耳が不自由であっても参加することができるということだ。
それは、音声による認識と、カメラによりアイラングエッジ(五十音をみる目線で言葉を使える)により、
現実世界よりも、住みやすい世界であると自負している。
おかげで、この世界は世界中から参加できるコミュニケーションツールとなった。
しかし、あくまで【現実】とは異なることを忘れてはならない。
一つだけ注意しておくが、この世界で目にするもの、聞こえるものが、
すべて真であるとは限らない。
あとは、自身の行動に責任をもって、この世界で生活して欲しい。』
そして、再び元の画面に切り替わった。

「な、なんだか難しいことゆっててよくわかんなかったよ。」
そういうと、りおは、
「わたしもぜーんぜんわかんなかったよ!」
といってにっこりほほえんだ。
ピンポーン
「あ、ゆきたちがきた。」
そういうと、りおは玄関の方に向かっていった。
しばらくすると、女の子二人をつれてりおが入ってきた。
「はい、おにいちゃん、こっちの子がゆきで、こっちがまゆみだよ。」
俺はぺこりとお辞儀をした。
「で、こっちがおにいちゃん☆」
そういうと、りおはちょっと顔を赤らめた。
「このおにいちゃんは、大丈夫なの?」
まゆみがその言葉を口にしたとたん、
りおの顔色が青くなった。
大丈夫ってなんのことだろう?
そのことはそんなに気にしていなかったが、
あとになってその意味がよくわかった。
「お、おにいちゃんは、大丈夫だよ。ねーっ!」
そういったりおの表情は少し強ばっていた。

「そういえば、しおりの話聞いた?
公衆トイレにカメラがあって、盗撮されてたらしいよ。」
彼女たちは、普通に話をしている。
それは、現実世界を思わせるものであった。
そう、この世界も彼女たちにとっては現実なのだ。
百合もこんな感じだったな。
もうずいぶん離れて暮らしているが、
百合もまだ高校に通っている高校生。
中学生の時、友達を連れてきてぺちゃくちゃ話していたな。
「あ、じゃあ俺ちょっと帰るね。」
彼女たちの会話をさえぎって、その場を後にしようとした。
「あ、おにいちゃん。帰るじゃなくて、行ってくるでしょ?
ここがおにいちゃんのおうちなんだから。」
りおがすかさず俺に話かける。
「そうだね。行ってきます。」
そういうルールなら、それに従おう。
「行ってらっしゃい☆」
彼女たちの声を後に部屋をでた。

画面越しにみる世界に、なれてしまった。 インターネットをして、いろんなページをみてきた。
インタラクティブな世界は、二面的な感情を植え付けることになった。
まるで、自分の探していたものが、この世界にあるかのような錯覚さえしてしまう。
人は出会いを求め、また悪用を考える。
この画面の中も、画面の外も、同じだということに気づくのが、
ずいぶん遅かったんだ。
そう、中にいるのも、外にいるのも、同じ人間。
人間が変わらない限り、何も変わりはしないんだ。
りおが、なんで悲しそうな顔をしていたのかも、
わからないで、俺は・・・

この世界と現実世界とが同じであることに気づいたものがいる。
ゲームを始めるとまず最初にゲームないでの『戸籍』を与えられる。
この戸籍が、現実の世界で売り買いされていたのだ。
「きみの家族、いいねぇ。ぼくにうってくれない?」
そういう話がきたのは、この世界になれてときのことだった。
矢野がうらやましそうに俺の家族をみていたのと同じように、
この世界では、いろんな家に住みたがってるやつがいるんだ。
この世界には、ほかにもいろいろなアイテムがあるらしい。
そうそう、神様という存在もこの世界にはいるという話だ。
あと、ワイルドカードというものを手に入れると、
個人情報の書き換えも可能だという。
俺に戸籍売買を申し出たやつとは契約不成立。
そんな売るってほどのものでもないだろう?
ゲヘゲヘいいながら、帰っていった。
「りおちゃーん。げへ。まったねー。」
どうやらりおのファンらしかった。
それにしても、ゲームの戸籍に10万も出すってどういう世界だよ。

「ワイルドカードは、100万以上の値打ちがあるそうだ。」
ゲーム好きの友達にそういわれた。
「あの世界(家族ゲーム)の人間の中には、実際に殺人を犯したヤツもいるらしい。
あの世界で居続けるためには、殺人犯という個人情報では遊べないからな。
だから、犯人は、ワイルドカードで、身分を改竄して潜入するんだ。」
そんなやつらがいるなんて、全く思わなかった。
「でも、なんでそんなやつがゲームで遊んだりするんだよ?」
「なんでも、ゲーム内での情報交換、だとか家族との交流だとか。」
「ふーん、そんなもので、わざわざゲームを使うものなのか。」
「俺もよくわからないけど、そういう噂だぜ。」
ずいぶん、病んだ世界だ。

ほかにもいろいろな情報を得た。
なぜ、こんなにも多くの人が在住するのか、なんとなくわかった気がした。
それは、この世界の中で、大変貴重な宝石、アイテム、などが、
現実世界にもっていける(実際は、制作会社からゲットできる)ということだ。
たった一つの貴重なアイテムから、数種類しかないものなど、
ちょうレアなアイテムがいっぱいあるらしい。
それらの入手方法は、基本的にトレードが必要らしい。
(例えば、りおの○○だとか。)
実際のものもOKだそうだ。
でもそういった、闇オークションに参加するにもいろいろ制限があって。
あー、もう、頭んなかがパンクしそうだよ。
まだ、整理仕切れてないんだから。

もちろん、オークションに参加するためには、
現実世界のお金が必要になる。○○オークションがゲームないにあるようなものだから。
そこで、実際の商品でも、ゲーム内での商品も手数料が引かれ、
(ゲーム内での商品の場合でも、現金が必要なので要注意)
そのお金などは、基本的にオークショニア(家族ゲーム.com)の収入になるという。
あとは、広告収入だとかがメイン。
なんとかカードっていうのを発行してもらうらしいけど、
この時の身分証明は、もちろん戸籍と一致するわけ。
だから、ワイルドカードが必要っていう人もいるんだけどね。
逆にいうと、ここにも現実のように人の戸籍で買い物とかしちゃう人もいるってこと。
ここら辺は、××っていうところにお金払えば被害は受けないっていう話。
保険会社みたいなところかな。
要するに、この世界も、なんていうかギリギリでスリルあふれた世界ってわけ。
もちろん、安易に個人情報は載せちゃだめだってさ。

オークションの方法なんだけど、これは【ダブルオークション】と呼ばれるもので、
売り手は売値と販売量を、買い手は買値と購入量を叫び、
その情報を聞いて(観て)取引相手を捜すってやり方。
ま、そんな細かいことは、プロに任せればいいんだけどね。
単純には、原始的なブツブツ取引なんてのもあるから大丈夫。
急になれろなんていわないから。

「おにいちゃん?」
りおが不思議そうな顔して俺をみていた。
りおの吐息が俺の顔にかかるくらい近くに顔を寄せていた。
「わっ」
ちょっとドキリとした。
一瞬現実なのか仮想なのかの判断が付かなかった。
簡単にいうなら、テレビをのぞき込むようにしていた俺に対して、
(実際はただぼーっとしていただけだが)
テレビの向こうからりおが顔を近づけた感じだ。
俺の中で、どす黒いものが大きくなっていく気がした。
俺は、りおを強く抱きしめた。
「やっぱり、お兄ちゃんも・・・」
小さく呟いた。
寂しそうな顔をしているりお。
本能がストップをかける。
りおの顔色がみるみる青ざめていくのがわかった。
身体も、ブルブルと小刻みに震えている。
「じゃあね・・・」
「あ、ちょっとまって・・・」
りおはそのまま消えてしまった。。。

しばらくすると、まゆみがやってきた。
りおのことを話すと、表情が急変した。
「あなた、どこまでやったの?」
まゆみは明らかに怒っている。
「抱きしめただけだよ。」
本当に?と、まゆみは念を押した。
そう、抱きしめただけなんだ。
「あの子震えてたでしょう?」
あのときの、りおの悲しい目が浮かび上がってくる。
「あの子、前もお兄ちゃんに襲われたのよ。
あの子は、次のおにいちゃんはきっと前のおにいちゃんと違うって、
信じていたのに。あなたはその信頼を裏切ったのよ。」
ああ、そうだったのか。
少しずつ彼女のいう言葉が理解できた。
「それに・・・」と口にして、まゆみは口を噤んだ。
「いいから、もう二度とりおには近づかないで。」
まゆみはそう言い放つと、俺の前から姿を消した。

三ヶ月前・・・
「おにーちゃん?」
りおと仲良くなってずいぶんたったころだった。
「はい、どーぞ。」
そういうと、りおは俺にお手紙をくれた。
「ありがとう。」
俺はなんだろうと中をのぞき込むと、
一枚のきれいなカードがはいっていた。
バースデーカードだった。
「えー、なんでしってるの?」
俺は、りおに訪ねると、「だって兄弟でしょ?」っていって、
にこにこしてる。
そこには、かわいらしい絵と一緒に、ちっちゃく【おめでと】という字がかかれていた。
うーん・・・
「りおってば、誕生日いつなの?」
「りおの誕生日はねー、クリスマスと一緒なの。」
ちょっと残念そうな顔をしている。
「でもね、サンタさんがいっぱいプレゼントくれるんだよ。」
「りおはなにがほしいの?」
妹(?)がなにをほしがっているのだろうと、ちょっと興味があった。
「えー、でも手に入らないものだよー。」
「なに?それって。」
「えっとね、ずっと昔になくしちゃった、うさちゃんのぬいぐるみ。」

今の世の中、手に入らないものはない。
すべてデジタルに置き換えられている。
りおのなくしたうさぎのぬいぐるみも、情報の古い場所にちゃんと保管されていた。
「これさえあれば・・・」
俺はそう思って、俺は、りおの部屋にそっとおいていた。
あとは待つしかない。
仮想空間が、今では現実の空間になってしまった。
俺の心は、仮想世界に引きずり込まれている。
もう、この電源を切ることができないんだ。

仮想空間で殺人の噂を聞いたのは、今から1ヶ月ほど前のことだった。
その噂は、この世界には殺人者がいるだの、その程度だったが、
リアルタイムに、【浜田公平】という人が亡くなったというニュースから、
この話は急展開し始めた。
通称浜公氏は、某企業の社長兼こちらの前大統領で、
彼の資金がすべて亡くなっているというのだ。
殺人者の噂は、以前からあったのだが、その噂の一つに予告殺人があった。
『浜公に貸していたモノは全部返してもらう。命と一緒に。』
その噂は、あっという間に広がっていった。
その殺人予告の日は、12月31日であった。
そう、その日は、浜公氏の60を迎える誕生日であった。
こちらの世界は、もちろん人間が作ったのであるが、
もはや、人間が管理できない世界へと移行しつつあった。
ある者は、この世界に従うためにここにいるのではないといい、
ある者は、自分の能力を試そうとする。
はっきりいって、ここを作ったドクター(本名はわからない)と、
そのメンバー(制作者たち)以上のスキルをもった連中もいる。
彼ら用のIDで、この世界は「一応」何でもできるようになっているらしいが、
予定外のお客様も、たまにやってくるというのだ。
そう、それがこの噂の殺人犯、ドブネズミだ。

ドブネズミは、現実世界と仮想世界、
ここの仮想世界だけでなく、あらゆる場所に出没するらしい。
俺が、呑気にりおが帰ってくるのを待ってる間、
ドブネズミは、活動していたんだ。
要人を次から次へとねらっている。
目的が何なのかはわからない。
しかし、少しずつ俺の行く手に現れてきた。
ゆっくりと、歯車はかみ合っていく。
それは、確かに動き始めていたんだ。
静かに音を立てながら。

私はねらわれていました。
私の父は、有名なプログラマーです。
あるプログラミングを作ってほしいと父は頼まれていました。
それは、世界規模にばらまくウイルスです。
手始めに、近くの国で実験をしたいといっていました。
父は、監禁され、無理矢理作らされていたのです。
しかし、最後の最後まで父は首を縦に振りませんでした。
そのとき、彼らは私を人質にすることにしました。
私は、ネットの世界に逃げました。
性別を偽って。
仮想空間で生活していました。
誰も、私のことを気がつかないように。
ここだと、私は自由でした。
しかし、私は見張られていたのです。
彼らの組織はとても大きいことが今になってようやくわかりました。
・・・
たすけて。たすけて。
たすけて。おにいちゃん。

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