覚醒

「ついたよ」
とりあえず、僕はゆーかを家に連れてきた。お母さんに怒られるかなぁ?
「ただーいまー」
・・・あれ?誰もいないのかな?
「誰もいないのぉ?」
あ、やっぱり返事がない。誰もいないんだぁ。
どーしよっかな。誰もいないときに家に人あげちゃいけないって言われてるし。
でも、しょーがない。だって、このままほおっておいちゃいけないし。
「君、あがってちょっとまってて。」

なんて不便な作りなんだろう。それに、中も狭いし。
これって、外見と中身が同じ広さなんじゃないの?
普通は、中身はだいたい3倍くらいの広さなのに。
しょうがないなぁ、とりあえずはいっちゃおう。
テレビ、、、わっおっきい。しかも画像も平面だし、、、
でてる人もみんなおんなじ顔だ。あはは。
テーブルも、、、ちょっと古いなぁ。照明も暗い感じがするし。
あっ、、、文字がかいてある。これ、、、新聞?
1991年7月15日
せんきゅうひゃくきゅうじゅういちねん、しちがつじゅうごにち
1・9・9・1・7・1・5
こ、こ、これって、やっぱり、、、か、過去に戻ってきてるってこと?

「どうしたの?変な顔しちゃって」
「近寄らないで。」
「近寄らないでっていわれても、なんか体調悪いの?」
「いいの。気にしないで。私に触らないで。」
どうしたんだろう、いったい。
「ねー、僕でよかったら、話してみて。力になれるかもしれないし。」
「だから、ほっといてよ。」
僕は、ゆーかに触れようとした、その時ゆーかにちょっと触れただけなのに、
すごい勢いで倒れたんだ。

カチャッ

何か、くずれたような音がした。しかし、それがなんだかわからなかった。
そんなことは、今はどうでもいいんだ。ゆーかが倒れてる。
僕は、いったいどうしたらいいんだ。。。

僕は、毛布をもってきた。
部屋は、そんなに寒くはない。いや、少しあつい暗いだ。
でも、ゆーかはぶるぶるふるえている。
僕は、その姿を、みているしかなかった。
・・・
時間が過ぎている。
もう、12時か?
どうやら、ゆーかは眠ったようだ。僕は、いつものように日記を付けることにした。
カタタ、カタ、カタカタッ
・・・カタ。
ふぅ。今日はいろんな出来事があったなぁ。僕は、どうしてこのこを家に連れてきたのだろう。
そんなことを、ぼーっと考えてみた。

ゆーかをみた。ぐっすり寝ている。
震えは止まったみたいだ。
時計の針は、2時をさしていた。
カチッ、カチッ、カチッ・・・
時計の音が、闇に吸い込まれている。

・・・カタ、カタカタ、カタッ、、、

ん?ふぁ~。あ、寝ちゃったよ。
うー、明るいな。電気つけっぱなしで寝ちゃった。
カタ、カタカタ
あれ?なんか音がしてるな。。。
顔をあげると、僕のよこでゆーかがキーボードをたたいていました。
「これ、きみにあげる。いつか、つかってみて。」
僕は、わけがわかりませんでした。それから、その記録はずっと残しています。
そして、ゆーかは、また寝てしまいました。

そう、僕はあのフロッピーを持っているはずなんです。
でも、いまはその保存されたフロッピーがどこにいったのかなんて覚えていません。
なんか、頭のなかがおかしいんです。
いまでは全部夢だったのかもしれないと感じています。
だってはっきりとは思い出せないんです。
そのときの記憶がないっていうか。なんていうんだろう。
今おもうと、ぶぶんぶぶんが、明るい光に包み込まれてるような。
でも、あのとき、外が一瞬明るくなったんです。
そして、僕の前に、3人の大人の人があらわれました。
その人たちは、僕をみようともしませんでしたけど。。。

「ここ、ゆーかってこいるか?」
あ、なんだろう、この人たち。かってに僕の家にはいってきて。
「おまえ、知らないのか?ここに、だよな?」
そういいながら、そのおじさんは、もう一人のおにーさんに話かけてた。
「えっとですね、反応は、ほら、すぐですよ。」
なんだろ、やばいよ。変な人たちだ。おじーさんが遠くで眺めてるし。
お母さんがかえってきたら、おこられちゃうよ。
僕、これからどうなっちゃうのかなぁ。あー、どうなってるんだよう。
おじーさんが、僕の顔を眺めています。。。

「あ、ここにありました。おかしいですね。そんなに簡単に壊れないはずなのに。」
「こぞう、おまえ、、、どこかでみたことあるな。。。」
「え?このがきみたことあるんですか?」
「こいつ、、、たしか。。。。」
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、、、
どっどっどっどっどっ
うぅぅうぅぅ
「先生?大丈夫ですか?せんせい?」
うあぁぁぁあぁぁぁぁぁ
ガシャンッ、バタッ、パリンッ
「おい、じーさん、お前も手伝えよ。先生をおさえるんだ。」
ぅぅうぅぅううう
「うぁあああぁぁあぁああああああぁぁあああーーー」

ころせ。コロセ。ころ せ。ころ せ。コロ セ。。。
そのがきを、この世界から消してやる。そうすれば、
この世界では、おまえは助かる。俺が助ける。
やっと、ここにくる事ができた。精神は、、、くそっあんまり使えない。
体も、俺のいうことをきかない。しかし、これだけ動ければいい。
そう、ほんのいっしゅんさえあれば、このがきをけすくらいすぐだ。
悪いな、ディラン。いちかばちかのかけだったが、俺の精神は再びよみがえった。
あのとき、俺の体は消えかけていた。しかし、ほんの一瞬、そう、ほんのちょっとの時間だけ、
おまえに精神を転移させたのだ。お前の体を完全に奪うほどの時間は残っていなかったが。
だから、お前の記憶もほんのちょっとだけ消えているのだ。
でも、そんなささいなことはどうでもいいか。
お前の体。ほんの少しだけ使わせてもらうぞ。

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